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結論:X-one2がおすすめ
AM☆太郎です。今回は産業用AM(アディティブマニュファクチャリング、3Dプリンティング)のエキスパートの私が、個人で・自宅で3Dプリントを楽しむための3Dプリンタを紹介します。
おすすめの3Dプリンタ:QIDI X-one2
メーカー:QIDI TECHNOLOGY
商品名:X-one2
Amazon商品ページ:https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01IR1R95M/
X-one2を薦める理由
- MEX(FDM)方式だから
- 臭いが少ない
家庭用でメジャーな方式はVPP(SLA)方式とMEX(FDM)方式です。VPPは、液体の原材料に光を当てて硬化させますが、その原材料(レジン)の臭いが強めです。また、レジンの拭き取りや除去に溶剤やアルコールを使う原材料も多く、それらの臭いも発生します。
一方、MEXはほとんどの場合、樹脂フィラメントを熱で溶かすタイプになります。積層中に樹脂の溶けた臭いがしますが、家庭内の通常の換気で困ったことはありません。
- 材料の取り扱いが楽
前述のように、VPPでは液体の材料を扱うので、保管や装置への充填、造形後の片付けが大変です。直接皮膚につかないようにゴム手袋をしたり、臭気を吸い込まないようマスクをする必要もあります。付着したレジンを除去するのも、除去した後の廃液を処分するのも私は面倒に感じます。水道水で洗い流せるもののありますが、選択肢が狭まります。
MEXでは、フィラメントですので取り扱いは非常に簡単です。気をつけることといえば、吸湿性の高い樹脂(PLAなど)では、乾燥剤と一緒に密封して保管することぐらいだと思います。 - ポストプロセスが少ない
3Dプリントでは、造形後にポストプロセス(後加工、後処理)が必要な場合があります。サポートストラクチャと言われる捨て構造を除去したり、残存した材料を除去したりと言った工程で、ほとんどの場合何らかのポストプロセスが発生しますが、VPPでは紫外線硬化型の樹脂を3Dプリンタでの造形後、別途UVライトでキュアするというような工程が発生することが多くなります。
- 臭いが少ない
- 完成品だから
- 組立不要
家庭用で廉価な3Dプリンタは、組立が必要なものが少なくあありません。造形可能サイズが同等なものを組立要・不要で比較すれば、当然組立が必要なものの方が安いものが多いです。しかし、素人に組み立てられるように設計すれば、組立の精度が上げられないのはご想像の通りです。 - 調整箇所が少ない
3Dプリンタは、完成品であっても使用前にビルドプレートの水平出しなど、多かれ少なかれ調整が必要です。素人が組み立てるられるように、組立性を確保した設計→余裕代(アソビ、ガタ)のある箇所・余裕代の量が多い→調整たくさん必要、です。造形がうまくいかなかった原因が、調整不良なのか、モデル不良なのか、パラメータ不良なのか、材料不良なのか、原因追及が難しくなると思います。
- 組立不要
- 筐体に入っているから
- 音が小さい
筐体の上部が空いているので、そこからは比較的音がしますがそれでも筐体は防音に非常に寄与しています。私はテレビの脇に設置した3Dプリントで造形しているのですが、テレビの音量を少し上げるだけで済んでいます。iPhoneの音量計測アプリで、筐体上部の開口部の上15cmほどで計測したところ50〜65dBでした。ピークの65dBは、ノズルが向きを変えるときの瞬間的な音で、材料を押し出している時は58dBぐらいだと思います。58dBは1m離れたテレビの音より小さいぐらいの音です。
- 断熱性がある
造形中のノズルは200度以上と高温になり、その周囲も、もわっと熱く感じますが筐体の中だけです。また、造形に必要な温度までノズルやビルドプレートを予熱する際に、筐体があると加熱が早くなります。ABS造形時のビルドプレートの予熱は、筐体があるタイプでないと不可能な場合も多いです。
- 安全性が高い
稼働部や高温部にうっかり触ってしまうことを防げます。 - 移動しやすい
筐体外に持ち手がついており、安全・確実に持ち上げて動かすことができます。 - 保管しやすい
箱状なので、適当なシートや購入時の箱などを被せるだけで、埃を除けつつ保管することができます。
- 音が小さい
- 口コミが良い
- サポートが好評
Amazonのレビューでサポートが非常に好評です。サポートに問い合わせるほどの不具合があった人が多い、ともいえますが、これだけ廉価な商品なので不具合よりもサポート体制が重要だとおもっています。
- サポートが好評
- 届いたらすぐ使える
- スライスソフト、フィラメント、テスト造形用データが付属
ポチって届いたらすぐ使いたいのが人情ですよね!とりあえず付属のUSBメモリに入っているテストデータを造形しつつ、スライス祖父をインストールして、あとは自分でモデルを作るなり。ネットからフリーの3Dデータをダウンロードするなりしましょう!
- スライスソフト、フィラメント、テスト造形用データが付属
X-one2の惜しいところ
- ビルドサイズ
- 筐体無しの格安3Dプリンタと比較すればやはりビルド可能サイズは小さめです。WxBxHで140x140x140mmとなっています。どうしてもワンピースでもう少し大きいものを造形したいのであればQIDIのラインナップで大きいプリンタを検討してもいいかもしれません。ただ、ワンピースで造形するのはサイズが大きくなればなるほど難しくなります。私はもう少し大きいものを造形するならX-one2で2ピース化を先に検討すると思います。
- 重量
- 一応、惜しいところに入れてみましたが19kgです。私はガラスの腰なので、取手がついているとは言え動かすときには気を使います。筐体付きで剛性もそこそこあるので、軽量化してそこが失われるよりは少しぐらい重い方がいいと思って納得しました。
- ドキュメントが英語
- 付属のマニュアルや公式サイトなどのドキュメント、説明動画が英語です。マニュアルは写真が豊富でそれだけでもだいたいわかりますが、英語を絶対読みたくないという場合はDeepLやGoogle翻訳を活用するなどの手間はかかります。
まとめ:個人用の3D プリンタはQIDI X-one2がおすすめ
買って大満足のX-one2をぜひみなさんにもお薦めしたいです。下にX-one2と、追加で買って調子のいいSUNLUのPLAフィラメントのアフィリンクを貼っていますのでぜひチェックしてみてください。